シャクナゲが咲くころ、千曲川源流をたどる二日間の山旅‼︎ 奥秩父の甲武信ケ岳を縦走して来ました。
2025/5/24~25 日本百名山甲武信ケ岳(2,475m)ツアー データ:歩行距離16、2km・累計標高差1,476m・累計歩行タイム12時間20分(休憩含)
日本一の長流、千曲川(信濃川)の最初の一滴を落とす山。日本の中央分水嶺にあって三県にまたがる奥深い山でもある甲武信ヶ岳は山名の響きの良さがいい。もちろん深田久弥が選定した日本百名山の一座です。初日は、毛木平登山口を起点として八丁坂ノ頭まで急勾配が続き十文字小屋まで2時間半。シャクナゲの群生地がある山小屋では、ビール焼酎を飲みながら楽しい夕べとなりましたが\(//∇//)\ある事件が起こる笑。そして夜はどしゃ降りで眠れず一夜を過ごす。翌朝は幸運にも雨が上がって出発するが、突如として鎖場が現れて大山ピーク、武信白岩山、尻岩とアップダウンのある尾根道を延々と歩き続けました。朝方から風があったりガスったりと景色を見る余裕はなかったが、何とか雨にも遭わず長い道のりを歩き抜きようやく三宝山に着いた時の安堵感は今でも伝わって来ますね。甲武信ケ岳山頂からの富士山をはじめ、すべての日本アルプスと八ヶ岳が南北一直線に並ぶ大展望が見れたら感動することでしょう?それよりも山頂を極めたという達成感があるかもしれませんね。最大の魅力は苔むした沢床になる千曲川源流を下りナメ滝や新緑の自然林の美しい沢沿いを歩きが、山旅の疲れを癒してくれるでしょう。

佐久平駅で皆さまとと合流して奥秩父川上村毛木平まで約60km。今回は毛木平登山口から十文字峠へ行って甲武信ケ岳へと縦走し、千曲川源流を下る周回コースになります。

ゲートを抜けてしばらく行き、右に千曲川源流の道と分かれて十文字峠に進みます。

見上げるとアカヤシオが咲いている。谷筋にはシャクナゲも咲いているようだ。

この一帯は鬱蒼としており倒木も多いですね。今日は予想に反してお天気持ちそうで安心しました。

紅葉樹のブナやミズナラ林の倒木にはかならず苔が生えていますね。苔が好きな環境って大体木漏れ日が当たるような場所らしいです。全く暗くても駄目だし、直射日光がガンガン当たってもよくない。それから、苔は自分の体に水分を蓄え、それが蒸発するので林の中の湿度を保ち他の生き物に適度な潤いを与えます。この一帯の山々は苔むしが生息する環境なのでしょう。

そんな自然の営みないど考えながら急斜面を登っていくと十文字峠に到着です。この付近には待望のシャクナゲが群生していました。

今夜の泊まる山小屋でーす。峠に佇む丸太造りの十文字小屋は郷愁を覚えるような昔ながらの雰囲気を感じさせてくれますね。

昨夜の土砂降りには参りましたね。平屋建ての3段ベットの一番上だったので雨音で眠れませんでしたが、低気圧が夜の間に通過したようです。おかげさまで雨も上がりました。さあ、先ずは三宝山までの尾根歩きが始まりますよ。きょうも山歩きを楽しみましょう。

大山までは鬱蒼とした樹林帯の登りが待っていました。風もあるし肌寒かったりとレイヤリングをこまめにして疲れないように工夫しましょう。

そしてそしてクサリ場が現れました。ここを登らなければ先にはいけない難所でもあります。基本は三点支持ですよ。

そんな時に見つけたシャクナゲの花。気分を変えてロングトレイルに挑戦です。

大山の岩頭に立つと幻想的な展望が広がる。雲海に浮かんだ山並みが幾重にも見える、なんという光景だろか。低気圧が通過したといっても山の天気は変わりやすのが常だ。

三宝山までは幾度もピークを乗り越えてのアップダウンが続き距離も長く感じるだろう。ここは正念場なのであと一息頑張りましょう。

そんな苦しい時間帯に見つけた可憐な花「バイカオウレン」が群生していた。参加者が検索して教えてもらいました。植物学者まきの富太郎が愛した花だそうです。心も体も癒されましたね。

山小屋をスタートから4時間を経てようやく三宝山に到着しました。本当にお疲れさまでした。山頂一帯はシャクナゲの群生地です。ここで休憩して昼食にしましょう。

大休憩後にストレッチをしてから甲武信ヶ岳に向けて出発です。一旦下ってから急登があるが30分くらいで山頂だろう。最後の急登を力を振り絞って頑張りましょう。峰に立つことで皆さんの苦労が喜びと言いしれない達成感となるでしょう。

憧れの日本百名山甲武信ヶ岳にようやく辿り着きました。ほんとうによく頑張りましたね。皆様をお連れできて私もガイド冥利に尽きます。

霞んでいて富士山や八ヶ岳は見えませんでしたが、清々しい気分でしょう。眼下には川上村の高原野菜レタス畑のハウスが望めました。

悪天候と云われた週末の2日間でしたが、結果的には素晴らしい登山日和だったと思います。途中お会いした大勢の登山者も心持ち笑顔だったようですね。

一気に急斜面を下り千曲川源流を辿りながら毛木平に戻ります。千曲川-信濃川水源地標がありました。水源の水流はわずかだが、ここから約370kmを旅して日本海の注ぐ大河となるだろう。

千曲川源流のお水は冷たくて美味しいですね。

日陰の沢筋では残雪が凍結していました。

本流の沢ベリに下ると、このコース唯一の滝であるナメ滝に至ります。

ここまで来ればあと90分くらいで登山口でしょう。ようやく気持ちのゆとりが出てきましたね。

千曲川の流れの勢いがあり、この付近の苔むしも広がっています。

切り立った岸壁にはアカヤシオが綺麗に咲いていました。もう少しで山旅が終わります。
東西に連なる奥秩父の中ほどに位置する甲武信ケ岳は変化に富んだ歩きがいのあるコースでしたね。データ以上に厳しい山行だっかと思いますが、この経験は他の山で活かされるしょう。