雄国山から望める冬の裏磐梯!5年ぶりに山頂から360度パノラマを堪能して来ました。
2022年2月13日
2022/ 2/12 雄子沢登山口から雄国山への冬ルート周回コース
雄国山と云ってもピントこない方もいるかと思いますが。ニッコウキスゲの大群落が見れる裏磐梯の雄国沼と言ったら福島県の方でしたら分かるかと思います。雄国沼は猫魔ヶ岳の噴火によってできたカルデラ湖で、その周囲を囲むように広がる雄国湿原は国特別天然記念物に指定されています。その外輪山には、雄国山、古城ヶ峰、厩岳山(まやだけさん)猫魔ヶ岳などが連なっています。冬のコースは雄子沢駐車場(冬はせいぜい20台の駐車スペース)からのピストンが一般的なコースですが、猫魔ヶ岳スキー場のリフトトップからのコースや、ラピスパ裏磐梯からのコースもあります。今回はYAMAPで知った冬ルート、雄国山山頂から尾根伝いに桧原湖方向に向かい。最後は右の折れて一気に急勾配を雄子沢登山口に下るコースを初めて歩きました。磐梯山から桧原湖と展望が広がりワクワクの山行となりました。

郡山から裏磐梯まで約90分、セブンでおにぎりを購入して雄子沢駐車場に来ましたが、駐車スペースが\(//∇//)\ 何とか端っこに駐車して出発する。

週末だったので雄子沢コースには沢山のトレース、思ったより雪も少なく楽々の山歩きとなる。冬コース用の目印も付いているじゃないか^_^

登山口からゆるやかなブナ林を登る。日差しも期待できそうな感じです。

沢すじをまわり込んで灌木林に出るとやがて山頂への分岐点。


トレースされた雪道を登っていくと、雄国沼の絶景が広がっていく。この光景を見たかった。猫魔ヶ岳から猫石も見えて来た。

あっという間に雄国山山頂直下、後は雲がぬけてくれ(^O^)

稜線で出ると一気に視界が広がる。なんて神秘的な雄国沼湿原なんだろうか\(^^)/ 冬の雄国山には今まで2度ほど登頂したが、初めて見る光景にしばらく感動する私でした。

絶景を求めて、西側の山にピークハントする登山者もおります。

少しずつ雲が抜けて西の展望が開けて来ました。ジャストタイミングでーす 笑。

トレースがあったので2時間かからず、展望台が設けられた雄国山山頂に到着しました。

ここで休憩、ホッカイロを入れたお弁当袋から取り出したおにぎりが温かくて美味しい。きょうは風もなく絶好の一日になりそうです。

雲がかかっていた磐梯山も神々しく望むことが出来ました。

ここから、稜線上を檜原湖に向かって雄子沢登山口に下山します。まったく初めてのルートですが、絶景を楽しみながら漫遊散歩といきましょうか。

青空に雪に覆われた樹林帯。なんと綺麗なんでしょうか。

尾根伝いに下りて、一旦鞍部から登り返して下ると云うコースでしたが、快適な雪山歩きです。

途中にカモシカの足跡がありました\(//∇//)\

雪を覆う神々しい磐梯山もアップで撮影しました。

今回の冬のルートですが、YAMAPからジオグラフィカに入れて参考にいたしました。ありがとうございます。

お疲れさまでした(^_^) お天気に恵まれた雄国山の周回コース(約7、5km、標高差450m)でした。この醍醐味を体感して頂きたいと思っております。ぜひ来年はツアー企画致しますので、よろしくお願いします。
先月末の西吾妻山遭難事故がなぜ起きたのか? 皆さんと一緒に考えてみましょう。
2022年2月8日
米沢市の西吾妻山で遭難 仙台市の53歳男性 2日ぶりに無事発見。
おとといの1月30日に、同行者女性と米沢市の西吾妻山に入り行方が分からなくなっていた仙台市の男性が1日午後、発見されました。意識があり、命に別条はないという。
無事発見されたのは、仙台市の会社員、Nさん53歳。警察によりますと、Nさんは1月30日の午前9時ごろ、米沢市の天元台スキー場からリフトを使って西吾妻山に登山に入った。その後、2人は山頂付近で別行動をとり、同行した女性が先に下山しましたが、30日夕方になってもNさんが戻らないので警察に通報したということです。携帯を持っていたが繋がらない状態です。警察や消防などによる捜索2日目の1日午後1時45分、宮城県警ヘリ「まつしま」が福島との県境付近の斜面を下っているNさんを発見。Nさんはヘリで救助され、手足や顔などに凍傷が見られたが命に別条はないという。Nさんはチョコレートなどの軽食しか持っておらず、宿泊道具も持っていなかった。 (さくらんぼテレビ)

吾妻連峰は好天だったらビッグモンスターができる最高のロケーションです。

下記は、山岳遭難ニュースを見てSNSの書き込みコメントです。
①無事でよかった。
遭難は当然しないほうがいいですが、雪山で命を落とさなかった経験は今後誰かが活かせるかもしれないので、どのように過ごしていたのか開示いただけるといいかなと思う。
②雪山で宿泊装備無しで2晩生き延びたのはすごい!
雪洞など掘って寒さを凌いだのだろうか?
いずれにしても雪山で生き抜いたスキルを賞賛します。おそらく、雪穴を掘ってビバークしたのだろう。雪洞を掘るだけの用具はなかったと思われる。ちょっとした知識と経験の違いが生死を分けることが多い。
③私は1/30に近くのゲレンデにいましたが、あの気温と風では恐らく夜の体感温度は-20℃~-30℃台だったと想像できます。
従って、避難小屋やツェルトを使用し雪洞を掘ってのビバークでなければ生きていなかったでしょう。で、そのどちらの可能性が高いかといえば、1/31に捜索隊が捜索しているので避難小屋ではなく、ルートを外れたビバークの可能性が高い。
その際スコップが無いと穴を掘れないのでスコップは持っていたと思われます。
記事では「宿泊道具を持っていない」との表現から、宿泊道具とはシュラフやマットのことでツェルトは持っていたかもしれません。
また、2日間水分を取らないわけにはいかないので、バーナーで雪を溶かして飲んでいて、準備に抜かりなかったと思われます。
④荒天で中止にする勇気が無かったことやトラブルによりパートナーと一緒に下山しなかったことは悔やまれますが、無事に下山出来て何よりでした。
⑤登山を行う1人として厳しいと事を書きます。
道迷い、疲労などアクシデントは仕方ない。
しかし、軽装過ぎる。特に雪山、厳冬期、最積雪期の山だ。ビバーク装備(ツェルト、エマージェンシーシート、ガス&バーナー、非常食、防寒着、ヘッデン)は必ず担いで登らなければならない。
可能なら、ココヘリ、アバランチビーコン等。軽い凍傷で済んで何よりだが、これは幸運だっただけで死んでも仕方がない。
山なんて好き登ればいいが、それは適切な装備、余裕のある体力と精神、準備と訓練を前提としての事。
それが整わないなら登山しないで欲しい。
冬山でいちばん怖いのは、悪天候に見舞われたときだ。 悪天候下では、転滑落、ルートミス、低体温症、凍傷、雪崩など、さまざまなリスクに遭遇する可能性が格段に高くなる。 実際、冬山での過去の大きな遭難事故のほとんどは、悪天候のときに起きている。

西吾妻山付近はなだらかな形状で、悪天候になれば爆風やホワイトアウトになりやすく道迷いにも注意しなければならない。

地図コンパスや地図アプリを活用したルートファイデング技術が試される難コースに変わる。

吾妻連峰の地形図が描かれている、山と高原地図から参照する
*なぜ、遭難事故が起きたのでしょうか?
詳細が分からないのでなんとも言えないんですが、私なりに検証してみました。
天元台スキー場からリフトで西吾妻山をめざすルートは雪山のグレーディングは技術1体力1くらいの初級コースと云われています。しかし、天候次第では爆風やホワイトアウトで難度が増して上級者向けになります。冬山で一番怖いのは、悪天候による、転倒滑落、ルートミス、低体温症、凍傷、雪崩など、さまざまなリスクに遭遇する可能性が格段に高くなります。
ここで、問題点をあげてみると、
①1/30は悪天候だったにも関わらず中止しなかった。スタートしても引き返すポイントがあった筈?
②なぜ同伴者と山頂付近で別れたのか?単独行はリスクが高くなる。
③SNSで指摘されたように冬の装備が明らかに不備だった。
*悪天候だった30日〜31日は西吾妻避難小屋で過ごしたのだろうか?そうだったら生死を分けた要因だろう。
以上、この3点が遭難の起因に繋がってと思われます。尚、お二人の登山技術はどの程度かは別問題として検証しています。
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もしも自分が雪山で遭難してしまった場合、どのように対処するのが良いのか、改めてご紹介します。
寒さをしのげる場所でじっと待つ

体力の温存や大きく登山ルートを外れることを避けるために、その場から動かないのが無難です。但し、雪崩や危険性がある場合は、安全な場所に移動しましょう。来た道を戻れば帰れるのではないか?とむやみに動き回るのは非常に危険です。体力が削られる上に、吹雪で視界が悪い場合は、方向感覚が失われて滑落する恐れも。遭難してしまった場合は、木の根元に雪洞を掘って、寒さをしのぎながらじっと待つことが意外に大切なことなんです。
携帯電話の扱い方に注意

寒い環境下では携帯のバッテリーの消耗が激しくなります。
そのため、使わない時は電源を切り、上着のポケットや服の中に入れて、温度が下がりすぎないように注意してください。また、吹雪が止んだタイミングで樹木など遮るものがない場所に移動すると、つながることもあります。連絡ができる場合は、119番にかけて救助の要請を。
救助班に認識されやすい工夫を

捜索の気配がしたら、救助の人からもわかりやすいように、高台に移動して合図をします。
この時、目立つ色のタオルなどがあるとより認識されやすくなります。もしものことを考えて、持ち物を赤や黄色などの原色系にすることも、一つの対策と言えます。適切な行動が生存確率を高める。吹雪のために視界が悪く、意図せず迷い込んでしまったというケースもあると思います。そんな時、正しい対処法を知っているか否かで生存できる確率が大きく変わってきます。
冬の登山を楽しむ前に、いざという時の対策などをしっかりと確認しておいてください。
2022/2/8
ガイド大槻恵太郎
冬の絶景 寒い季節にしか出会えない景色‼︎ 「蔵王の樹氷」
2022年1月27日
2022/ 1/25 刈田岳〜仙人沢渓谷下見(ライザーワールドスキー場より)
亜高山地帯にみられる樹氷は、東北地方の奥羽山脈の一部の山域(八甲田山、八幡平、蔵王山、吾妻山)の亜高山地帯にしかできません。樹氷ができるのには、いくつもの条件が必要だからです。シベリアから吹いてくる季節風が日本海で水分を含み、湿った状態で朝日連峰を越え、過冷却水滴となります。その湿った季節風がオオシラビソ(アオモリトドマツ)に衝突し、その上に雪が叩きつけられるように付着し凍り付きます。これを何回も繰り返されて樹氷が出来上がってゆきます。厳冬とも言える今冬は、蔵王の山腹にモンスター化してどんどん発達し大きくなっています。

来たる刈田岳ツアーの下見を兼ねて、今回は山形県上山市側にある蔵王ライザワールドスキー場からトライする。郡山からたっぷり車で2時間30分かかる。

クラブハウスの屋根がやばい(//∇//) 東北中央道から米沢に入った辺りから積雪がすごい、さすが雪国だ。

クワッドを降りた辺りに振り返ると絶景が待っていた。ここから。ペアーリフトを乗り継ぎトップゲレンデに向かう。

トップリフトを降りれば樹氷原(標高1450m)、カモシカルートに下ると飯豊連峰が輝いている。

真っ先にGODZILLA‼︎ ビッグモンスターが飛び込んで来た。

樹氷を覆われた蔵王連峰の広大な山腹と青空に驚きと感動する。

大きく育った樹氷モンスターがゴロゴロと。

振り返ると安達太良山から吾妻連峰が見渡せた\(^^)/ つい数日前に安達太良山山頂から蔵王連峰を見た逆の光景だったので!

そして、左手にはあの飯豊連峰が白銀の輝きを見せてくれる。

広大な緩斜面をゆっくりと景色を眺めながら歩いている。

アクシデント発生\(//∇//)\ 登山靴のジッパーが壊れた。雪が入らないように補強して何とか。今日はワカン装着しての山行です。

このルート上にはポールが目印になっているので悪天候でもルートファイディングが出来るでしょう。御田神避難小屋を通過して馬の背をめざす。

この辺まで登ると、刈田岳までの稜線が鮮明に見えています。

西側には朝日連峰が見えてきた。鋭角に尖った大朝日岳が格好いいですね

熊野岳から刈田岳の稜線が続いている。

太陽が眩しい、風も少なくなんとも言えない幻想的な雰囲気です。

夏リフトの駅が🚉 ここから急斜面を一気に駆け登ろう。

ここまで標高を稼ぐと、より鮮明に安達太良山山頂から吾妻連峰が見渡せる。


望遠にすると大朝日岳がくっきりと現れた。

赤いポールまで登ると稜線に出るんだ。

稜線上からは正に絶景と言うしかない(^◇^)

なだらかな熊野岳が目の前に広がっています。お釜は雪で覆われています。

仁王立ちの鳥居⛩

雪没している刈田嶺神社。もう少しで山頂制覇‼️ ちょっと大袈裟でした 笑。

山頂から眺める南蔵王連峰です。1月スミカワスキー場から登り吹雪で断念したので、喜びと言うか、好天に恵まれて良かったという思いです。

蔵王刈田岳・熊野岳・五色岳の三峰に抱かれた円型の火口湖で、火口が釜状なので「お釜」という名前が付いています。冬季は雪に覆われてますが、湖面はエメラルドグリーンの水をたたえ、荒々しい火口壁と対比して神秘的な雰囲気をもち、冬の樹氷とともに蔵王の象徴となっています。湖水は強酸性のため生物は生息できません。水温は表面から10数mの深度で2℃まで下がり、それより深度を増すと 温度が高くなる特殊双温水層で、世界でも例がない湖です。太陽光線の加減で様々に色を変えるため「五色沼」とも呼ばている。




自然が創り出す造形美。


ちょっと寄り道して下山しました。沢すじにある仙人沢渓谷の爆氷を見に急斜面を150m位下って行きます。

仙人沢渓谷に現れたのは、見事に滝が凍っている氷瀑でした( T_T)\(^-^ )


なんとも神秘的な空間でしょうか。太陽に照らされて水色に輝いていました。

ネットでは見ていたのだが、日光雲竜渓谷とはまた違う光景でした。自然が創り出した造形美とでも言うんでしょうか。

トップゲレンデで出てライザワールドスキー場を一気に下ります。

来月のツアーがお天気でありますように。これからかみのやま温泉♨️に立ち寄って帰ります。


上山市内にある、かみのやま温泉下共同大浴場は情緒たっぷりな共同浴場でした。地元に人が此処は源泉かけ流しで毎日掃除して清潔な施設であり効能もあると話しておりました。入浴料150円(洗髪料100円)安ーいんですよ。

最後にかみのやま城をご覧いただきと思います。
上山城は最上氏の最南端の城塞であり米沢の伊達氏や上杉氏との攻防の舞台となりました。最上家改易の後は歴代藩主の居城となりましたが、城下 町まで含めた諸施設が整ったのは土岐氏の泊政下で、月岡・天神森にそびえる壮魔な城郭は「羽州の名城」として広く知れ渡りました。しかし元禄五年(1692)土岐氏の 転封と共に幕命により取り壊され、現在は堀跡や石垣が 当時の名残りを留めています。
しばらくコロナが落ち着くまでは、みちのくひとり旅(ソロ登山)を楽しみながら、東北地方の山々をご紹介してまいります。引き続きよろしくお願いします。