山で出会う愛らしい鳥‼︎ ライチョウ(雷鳥)の生態を知ろう。
私が初めてライチョウを見たのは何時だったろうか? ライチョウとの出会いは北アルプス登山のときの楽しみでもある。コロナ禍で長野県など遠方へのツアーも少なくなったが、昨年の剱岳から室堂の戻りでも会えた、今年も8月の表銀座ツアーでライチョウと邂逅するのがひとしお待ち遠しいですね。
ライチョウ(雷鳥)は高山にのみ生息する鳥で、トキやタンチョウのように国の特別天然記念物に指定されています。日本へは2万年前氷河期の頃にやってきて、その後温暖になるにつれ冷涼な高山に生息するようになりました。ライチョウは一年を通じて同じ地域で暮らす留鳥に区分されます。日中はハイマツの中に身を潜め、朝夕に食事をするため姿を現わすことがあります。
御嶽山や北アルプス、南アルプスなどの森林限界を超えた高地にのみ生息しています。これらの山々の属する県では県鳥に指定されています。かつては八ヶ岳や白山でもその姿を見ることができたようですが、現在これらの地域では生息していません。少しづつその生息域を狭めているのが現状です。
体長は37cm。ずんぐりとした体型で、飛ぶのはあまり得意ではありません。からだの大部分が羽毛に覆われており、鼻腔や脚にも羽毛が生えています。鳴き声はオスの場合「ガァァォォッ」としわがれ声で鳴き、メスは「クックックッ」ささやくように鳴きます。
日本では約3,000羽程度しか生息していないライチョウ(雷鳥)に新たな脅威が迫っています。本当なら高山にいないニホンザルが、ライチョウのヒナを捕食している実態が明らかになったのです。このままライチョウを食べる習性が猿の間で広がることを関係者は危惧しています。この度の絶滅危惧種ライチョウ復活との朗報には心が躍りました。
ライチョウ(雷鳥)はハイカーと遭遇しても、あわてて逃げることがありません。人を危険な存在だと考えていないかのようです。そんなけなげで愛らしい姿のライチョウと、これからも日本の高山で出会うことができればいいなと、山が好きな人間の一人として願ってやみません。