好奇心と冒険心をもって、エベレスト街道を行くネパールの山旅。
一年前から世界最高峰エベレストを間近にみたいとの思いが高まり、あり余る時間ができた今、旅に出よう‼️と云うことで、今年の2月待望のネパールに単独で出発。カトマンドゥの滞在から、冬のエベレスト街道を歩く。ルクラ→ナムチェ、タンポチェそして、デェンポチェ(4410m)までの16日間の山旅報告です。
標高約1300mに位置するネパールのトリブヴァン国際空港に2月15日お昼過ぎに到着。時差は3時間15分ですが、それよりも羽田空港からバンコクを経由のフライトは待ち時間もあり結構疲れる空の旅でした。空港内でビザを取得して入国すると、ポルチェ出身のシェルパ族のガイド、アンカミさんが出迎えてくれた。カトマンドゥは約100万人が暮らすネパールの首都でこの国政治、経済の中心であり、外国からのツーリストや登山家たちの大半が最初に足を踏み入れる場所でもある。第一印象は街中が埃っぽくどんよりとした感じと思ったより暑い(タクシーに乗ったらエアコンがついていた)、街中は一昔前の日本車やバイクで渋滞し、人盛りでアジア特有の雰囲気が伝わってくる。カトマンドゥの中心地タメルで二日間過ごしてから、17日に16人乗りの飛行機でエベレスト街道の起点になるルクラに向かうのだが、帰りも含めてこの街で五日間、一泊約1500円朝食付のゲストハウスを拠点として、カトマンドゥでの生活をエンジョイすることができた。
キッチンを借りてラーメンなどを披露したところスタッフたちには好評だった。此処での食事はネパールの家庭料理ダルバードやモモなど(餃子のようなもの)、私の口に合っていたようです。但し、トレッキングが始まり標高が高くなるほど、ロッジの食事はシーズンオフでコックがいないのか、野菜が生だったりとまずく手持ちのドライフーズが役立ちました。2月の時期のエベレストトレッキングは日中は陽射しもあり寒くはないが、日が陰ってから夜は気温も下がり(氷点下10度)、部屋には暖房もなくダブルにしたシュラフで何とか凌いできました。そして、4000m超えたあたりから息苦しく睡眠不足が続く。高度順応日を設けるのだが、これが高山病の兆候なのだろうか。
今回のコースは世界最高峰のエベレストはもちろん、ローツェ、ヌプツェをはじめ数多くの高峰を仰ぎ見ながらエベレストのすぐ近くまで行けること。そして独特の文化をもつ山岳民族、シェルパの生活に触れられたことだろう。4000mを超える高所には、シェルパ族にとっては生活の場であっても、平地民族である我々にとっては未体験の厳しい環境だろう。ルクラを起点に、青空バザールで有名なシェルパ族の故郷、ナムチェ・バザールを経て(ここでは一日の高度順応日もありナムチェからシャンポチェの尾根をめざし、憧れのホテルエベレストビューのロッジにて珈琲を飲みながらエベレストを眺めることができた。途中立ち寄った、植村直己が滞在したと云うクムジョン村も素敵だった)、チベット仏教の総本山的なタンポチェのゴンパ(僧院)や、その奥地のパンボチェのゴンパにも立ち寄り。山の民の信仰心を垣間見ながら進む。この先からロブチェ、カラ・パタールに向かうのだが、ペリツェ日方面ではなく川沿いに直進してデェンポチェ(4410m)に向かうのに荒涼とした谷を進む。どうやら此処が今回の最終目的地となりました。
(2017・2/14~3/1 ネパールエベスト街道トレッキング16日間の一人旅)
*ネパールトレッキングにご興味のある方は続きをご覧ください。
(ネパールトレッキング豆知識)
ネパールは、トレッキング愛好家にとって憧れの地です。トレッキングには、短くて簡単なものから何ヶ月も続くような難しいものまで様々なコースがあり、好みに応じてコースを選ぶことができます。ネパールは、トレッカーのパラダイスとも呼ばれています!
トレッキングとは、雪山を登ることではありません。雪山より低い山を歩くことを言います。とはいえ、ネパールでは、標高6000mを越える山までトレッキングの対象となります。ちなみに、ネパールでは標高4500mまで人が住んでいます。
トレッキングコースは、山岳、丘陵、平野といった様々な地形により、世界で最も景観の素晴らしいものとなっています。また、標高差や変化に富んだ気候が人々の生活様式や動植物にも独特の影響を及ぼしています。ネパールのトレッキングは、単なる「山歩き」というだけではなく、素朴な村人、独特の生活習慣や伝統を守り続ける村々を通り、高地に住む人々の生活を身近に体験し、また山での生活の苦労を感じることでもあります。絵画のような景色の中で、多彩な文化を体験することができるのです!
【トレッキングのシーズン】
乾季に当る10月から4月がトレッキングのベストシーズンです。中でも、10月、11月は空気が澄んでおり、ヒマラヤの美しい展望が望めます。12月、1月は、標高の高いところは雪に覆われ寒くなりますが、やや低いところのトレッキングには最適です。2月に入ると、気温は上がり始めますが、高地はまだまだ雪が降ります。3月、4月は、ネパールの国花である石楠花の咲く季節です。この時季はヒマラヤも綺麗に見ることができますので、石楠花とヒマラヤを同時に楽しむことができます。5月から9月までは雨季となりますので、雲が多く山が見える確率は低くなります。6月の終わりごろから7月の終わりまでは、高山植物の咲く季節です。4500mより高いところには青いケシの花が咲き誇ります。トレッキングのシーズンは、トレッカーの好みや目的によって異なると言えるでしょう。
【主なトレッキングルート】
①エベレスト・トレッキング
ネパール語でサガルマータ、チベット語でチョモランマと呼ばれ、広く世界にその名を知られる地球上で最高峰のエベレストは、シェルパの里の奥に聳えています。エベレストを見に行くには、カトマンズからルクラまで飛行機を使い、ルクラからタンボチェまでのトレッキングが一般的です。
②アンナプルナ・トレッキング
数多くのトレッキングコースの中で、アンナプルナトレッキングは一番の人気です。青い空と緑深い山々、段々畑に点在する藁葺き屋根の農家といった典型的なネパールの田舎風景の中を歩きます。毎日の行動で山の見え方が変化し、ダンプスまでの短いトレッキングでもヒマラヤを十分に満喫することができます。1週間位の余裕がある方は、ゴレパニ、プーンヒルまでのトレッキングをお勧めします。
【ロッジ泊とテント泊】
①ロッジ泊トレッキング
アンナプルナ地方やエベレスト地方は、随所に宿泊施設があるエリアです。日本やヨーロッパのような十分な設備を期待することはできませんが、そこに住む人々や世界各国からの旅人たちとの交流を楽しむことができます。ロッジ泊トレッキングには、トレッキングの知識がある日本語スルーガイドと荷物を担ぐポーターが付きます。ガイドは道案内や、その日の宿泊施設や食事を手配します。寝袋をはじめ着替えなどの荷物はポーターが担ぎます。トレッカーが運ぶのは、水筒、カメラ、貴重品等だけです。
②テント泊トレッキング(キャンプトレッキング)
宿泊施設となるテントや食料を全て用意し、ガイド、ポーター、シェルパ、コックと行動するトレッキングです。宿泊ロッジがない地方のトレッキングや、グループや家族でのトレッキングにお勧めです。食事はコックが作り、テントはシェルパが設営します。村のテント場や休閑地にテントを張ります。
1日は、テントに運ばれるモーニングティと椅子とテーブルでの朝食から始まります。昼食地に着けば、先に行ったコックとキッチンボーイが食事やお茶を用意して待っています。キャンプ場に着けば、テントが用意されています。夕食が済めばスタッフ達が歌や踊りを披露します。場所によっては、夜は盗難防止のためスタッフが交代で不寝番をするといった至れり尽せりのサービスです。5~6名のトレッカーの場合、日本語ガイド1名、サーダー(トレッキングガイド)1名、アシスタントガイド2名、コック1名、キッチンボーイ(コック助手)2名、ポーター10名ほどのスタッフが同行します。
【トレッキングの装備】
10月、11月、2月、3月のトレッキングは、日本の秋のアルプス、12月、1月は場所によって冬のアルプスの装備が必要です。服装は、時季とコース(高度)によりますが、長袖シャツを基本として、フリースやセーター、ウィンドブレーカーやジャンバー、さらにダウンジャケットとなります(エベレスト街道のトレッキングにご参加のお客様で、12月、1月にご参加の方はダウンジャケットをお持ちください)。手袋も必要です。トレッキング中は汗をかきますし、日中と夜の温度差は大きいです。登山靴や医薬品につきましては、ご自分の使い慣れたものを持参されるのが一番良いでしょう。また、ロッジをご利用される場合には、自分の寝袋を持っていくことをお勧めします。
以下は、トレッキングの際の持ち物例です。
●寝袋: 羽毛製品が最も良いです。通常は、3シーズン用。寝袋を初めて使う方や寒さに弱い方、3000mを超えるコースでは冬用が必要です。
●雨具: 折畳み傘、カッパ、ポンチョ。風が強いときは、ウィンドブレーカーとして、寒いときには防寒着にもなります。
●水筒: 1リットル程度
●ザック: 担ぎやすいザックをお勧めします。ポーターに預けるザック(容量50L以上)と自分で持つデイパックの2種類が必要です。スーツケースは担ぎにくいので、ホテルに預けます。
●ヘッドランプ・懐中電灯: 宿泊地での滞在中、夜間のトイレ、早朝に日の出を見に行く際に必要です。
●防寒着: 12月、1月又は3000m以上の高地のトレッキングに行く際は、羽毛服が必要です。
●靴: 2~3日のトレッキングは、運動靴で十分です。1週間以上のトレッキングの場合は、ワークブーツ、キャラバンシューズ、それより長期は、革登山靴などをお勧めします。
●その他: 帽子、サングラス、日焼け止めクリーム、マスク、スカーフ、目薬、ウィンドブレーカー、手袋、スパッツ、靴下、リップクリーム、ウェットティッシュ、洗面用具、医薬品、双眼鏡、行動食(チョコレート、飴、梅干など)、地図、サンダル、ストック、カメラ、携帯用カイロ、筆記用具など
【トレッキング・パーミット】
現在、エベレスト地方やアンナプルナ地方、ランタン地方はトレッキングパーミットの制度はなくなり、入域料金を払うのみになっています。なお、パスポートコピーと写真が必要となります。
【高山病】
高山病とは、比較的短時間のうちに高山へ登ったときに起こる症状で、気圧の低下や酸素の欠乏などが原因となります。標高3000m以上の山に登る際起こりやすい症状です。高山病の初期症状は、頭痛、食欲不振、不眠、吐き気等です。これらの症状があらわれると、無視してはいけません。そのままにすると、より深刻な状況となり、場合によっては死亡することもあります。若さ、強さ、健康は関係なく、薬も症状を和らげる役には立ちません。速やかに下山する必要があります。
高山病にならないために・・・
①ゆっくりと休憩ととりながら登りましょう
②十分に水分補給しましょう
③深く息を吸いましょう
④暖かくして、快適な睡眠をとりましょう
※経験豊かなガイドの指示に従ってください。